人生は、まるで靄に包まれた舟のようである。
進むべき方向を見失い踠くかもしれないし、その先で希望に満ちた未来が開けるかもしれない。
其々が静かに舟を走らせ、
今日もこの素晴らしき世界を彷徨う。
灯火のように寄り添う温かな調べを連れて、
自らの櫂で、靄を漕ぐ。
Text : 濱田 敦司 (MANSIKKA antiques)
新型コロナウィルスの影響下の2020 年11 月。
東京・青梅にあるMANSIKKA antiques にて本作は無観客でライヴ・レコーディングされた。
メンバーは、ジャズなどを音楽のベースとして様々なフィールドで活動するギタリスト 坂ノ下典正、
坂本龍一をはじめ多くのミュージシャンの支持を受けているデュオ the sleeping beauty、そしてMANSIKKA antiques の店主でベーシストの濱田敦司。
セッションを重ねる毎に時間や空間すらも研ぎ澄まされていく。
この6つの楽曲には、プレイヤーの張り詰めた緊張感と高まる高揚感が記録されている。
特装版ブックレット仕様( 全32 ページ) で 限定500 部リリース。
CDと共にブックレットに封入される植物標本は、はいいろオオカミ+花屋 西別府商店が手掛け、写真、映像、デザインは、写真家・山口明宏が制作。
パンデミックによって制限と変化を強いられた新たな日常は、まるで靄の中に居る様で未だ進む方向さえも不確かなままだ。不透明な今と向き合い創作を重ねることで完成したこのアートフォームが新たな日常の道標となればと思う。
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1. through the mist
2. glacis
3. parts of imperfection
4. empty playground-part.1
5. ruiten
6. a rest
Recorded,Mixed & Mastered by Sakanoshita Norimasa
Recorded at MANSIKKA antiques on November 2nd&3rd, 2020
1976年生まれ。
音楽の基礎にと, 幼少時からピアノの習得を勧められる。高校でクラシックギターに触れ、セゴビアやタレガなどの近代音楽に傾倒。
大学時にジャズや即興音楽に触れ、ライブ活動を開始。卒業後拠点を東京に移し、ジャズ、ボサノヴァ、ポップス、即興など多種多様なジャンルで演奏。
映像や絵画、舞踏、朗読、料理など他表現とのコラボレーションを多く行う。
バンド"Echostics"名義では、作曲・アレンジを担当し、雑誌"ecocolo"主催の"WordsGarden"、Art Re-public Tokyo主催の"創造公園渋谷”ドキュメンタリー映画祭"DOCU Memento"など多数アート系イベントに参加。7弦ギターでの演奏を基軸に都内に留まらず全国各地で活動中。
東京を中心に活動する、田村みどり、田村示音のデュオ。
これまでに『no sound and no silence』、『liv』、『auguries』、『empty playground』をリリースし、ミュージアム・ショップやセレクト・ショップにてロングセラーを続ける。
2008年11月、原美術館でライブを行い、その後もカフェ、ギャラリーなどで演奏している。
2018年、坂本龍一がニューヨークのレストランのために作成したプレイリストにて『auguries』収録曲が選ばれた。
2021年1月、原美術館のオンライン配信企画 Hara X「 “ひかりの感触” the sleeping beauty , 塩塚モエカ」に出演。
国内外から蒐集した古いものや、作家作品を主として取り扱うセレクトショップ。
2014年よりウェアハウスのセルフリノベーションを繰り返しながら、東京都青梅市の自然豊かなロケーションの中で静かに佇む。近年ではアートギャラリーや撮影スタジオとしての店内利用や空間演出に携わる機会も増え、枠に囚われない独自のスタイルを日々追求している。
Shop 東京都青梅市富岡2-538-1
はいいろオオカミ + 花屋 西別府商店 は「古」と「生」、対の要素が共存する一風変わったショップ。はいいろオオカミが日本・ロシアの「古物」、西別府商店が「生花」の仕入をそれぞれに担当。2015年よりお店としてのオリジナル作品「小さな~」シリーズ製作に着手、
現在は6作目「小人の室」を中心に全国各地にて展示会も開催。
Shop 東京都港区南青山3-15-2 マンション南青山102
神奈川県生まれ。東京を中心に活動する写真家。
主な被写体は花と人、そこに含まれる景色。自身が関わる全てを写真機で記録し、それらを元に作品を制作している。